プーチンが政権内で孤立する背景に“黒幕”が 要人の証言「大臣ですら簡単には面会できない」

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“核バッグ”独占

 確かに当時はにわかに信じがたかった話ですが、今から振り返るとすでにあの頃からプーチンと側近の間には重大な変化が起こっていたと言わざるをえません。

 実際、米英の情報機関なども開戦後、プーチンに正確な情報が伝わっていないとの分析を公表しています。それには、プーチンを疑心暗鬼に陥らせ、ロシア政府に分断をもたらす意図もあるでしょうが、現実に大統領が正しい情報を得られていない恐れがあるのです。

 また、特に侵攻の指揮を執るべきショイグとゲラシモフ(参謀総長)が開戦後、雲隠れの状態なのも気になります。ショイグについては3月24日、オンライン形式の会議に“姿”を見せましたが、映像が乱れ、過去の映像をはめ込んだだけだと疑われてもいる。

 二人はプーチンに次いで核の発射判断に関わる立場。ブリーフケースのような“核バッグ”を常に持ち歩き、それに組み込まれた装置は“発射ボタン”の役割を担うといわれています。

 戦況悪化の責任を問うと同時に、核に関する指揮系統を独占する目的で、大統領が彼らをどこかに軟禁している可能性も否定できません。いずれにしても開戦後、プーチンがますます孤立を深めているのは確かでしょう。

週刊新潮 2022年4月14日号掲載

「『プーチンの病巣』私はこう考える」より

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