コロナ「BA.2」の感染力、重症化率は高くない? 四つ以上の「基礎疾患」に要注意

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「感染力、重症化率は?」

 BA.2はBA.1よりも重症化しやすいという可能性が示されたのだが、臨床の現場ではどうなのだろうか。東京都医師会副会長の角田徹医師が言う。

「直近の東京都モニタリング会議で使用されたデータによると、BA.2の感染力は従来のBA.1より若干高いものの、重症化率は、欧米をはじめとする海外のデータを見ても、BA.1と変わりません。過度に心配する必要はないと思います。感染者のなかで肺炎を起こす患者さんも、私が見るかぎり増えているわけではありません」

 いまのところ、切迫した状況にはなっていないようだ。では、なぜハムスターは肺炎を起こしたのか。松井氏は「個人的見解」と断ったうえで、こう話す。

「ハムスターと人間は、同じ哺乳類ですが、まれに違う反応を示します。今回もそれではないか。また、佐藤先生はスパイク部分だけを似せた人工ウイルスを使いましたが、自然のウイルスは、ほかにもいろんなタンパク質を含みます。自然のウイルスとの差異が生じたのかもしれません」

重症化リスクはほぼ同じ

 また、東京医科大学八王子医療センター呼吸器内科の寺本信嗣教授は、

「楽観論はいけませんが、感染者が継続して発生しているわりには、肺炎は減少していて、BA.1に特徴的だったのどの痛みなどの上気道の炎症も、現場の肌感覚では、BA.2では少し弱まっている。デルタ株、BA.1、BA.2と進むにつれ、重症化する割合は下がっています」

 と話すのだ。少し安心したところで、東京歯科大学市川総合病院の寺嶋毅教授に、BA.2の特徴を整理してもらう。

「BA.2の感染力は、世界の文献などを読み調べると、BA.1よりおおむね1・3倍ほど高い傾向にあるようです。ただ重症化リスクは、現時点ではそこまで違わないようで、イギリスのデータでは、BA.1とくらべて入院率が0.94とむしろ低い。世界に先がけてBA.2が流行したデンマークでも、入院リスクがBA.1と同程度だったと報告されています。したがって、重症化リスクもほぼ同様と見るべきでしょう」

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