「悪女」か「ナンバMG5」か……「水曜22時ドラマ」対決で日テレが考えた奇策とは

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6分の奇策

「前作の『悪女』(読売テレビ制作)は土曜夜10時に放送されたのですが、この枠は17年ぶりにドラマ枠となった第1作でした。日テレはそれまで土曜夜9時台もドラマを放送していたのですが、10時台もドラマを放送することで、当時の王者・フジの『ゴールデン洋画劇場』に対抗した過去があります。今回は逆の立場です。絶対に負けられません」

 今年2月には、JR渋谷駅に張られた「入社辞令」広告が話題を呼んだ。“田中麻理鈴殿、株式会社オウミの社員として採用し、総務部備品管理課を命ずる”という辞令には“田中麻理鈴って誰?”と記され、検索すると特設ページに飛ぶというものだった。ずいぶん早い番組宣伝だったが、さらに奥の手があった。

「フジは初回15分拡大で放送するようですが、日テレは6分繰り上げて9時54分からスタートします。しかも、この日は『笑ってコラえて!×悪女(わる)合体SP・1部』を夜7時から放送し、そのまま『合体SP・2部』としてドラマにつなげます」

 もっとも、スタートを6分早めてどれほどの効果があるのだろうか。

水曜はドラマ視聴者が増える

「どんなに面白いドラマを放送しても、見るのはどちらかです。両方見たいという視聴者も、リアルタイムで視聴できるのは1つだけです。もう1本は録画で見るか、TVerなどの配信サービスで見逃し視聴するしかありません。リアルタイム視聴なら、少しでも早く放送したほうが有利だと思います」

 デイリー新潮は「フジテレビ 『水10』ドラマ復活で日テレと対決 バラエティよりはるかに制作費はかかるのにナゼ」(3月9日配信)で、ドラマが好調なフジは、配信による収入も見越した上で、ドラマ枠を復活させたと報じた。

「確かにそうした思惑もあるでしょう。フジは今の世の中を見据えてドラマ枠を新設したと思います。ここ数年、働き方改革の推進により“ノー残業DAY”を導入する企業が増えました。中でも週の半ばである水曜日は、若いサラリーマンをはめとする社会人の帰宅時間が比較的に早くなっています。新型コロナの影響もあります。つまり水曜は、他の平日よりもドラマを見てくれる視聴者の絶対数が多いんです。フジはそれを狙っているのだと思います」

 果たして、スタートを6分早める日テレ、15分拡大で終了を遅らせるフジの闘い。どちらに軍配が上がるか。

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