「悪女」か「ナンバMG5」か……「水曜22時ドラマ」対決で日テレが考えた奇策とは

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 4月13日にスタートする2本のドラマ。「悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~」(日本テレビ)と「ナンバMG5」(フジテレビ)は、どちらも水曜夜10時台に放送される。今回、フジがこの枠にドラマを復活させたことで、業界のみならず世間の注目も集めている。

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 そもそも水曜夜10時枠は、日テレが85年から長らくドラマを放送してきた。そこにフジが殴り込み、もとい王者・日テレの胸を借りるかのように、6年ぶりにドラマ枠を復活させたのだ。

 フジの「ナンバMG5」は、いわゆるヤンキーもの。筋金入りのヤンキー一家に育った次男・難破剛は中学時代、最強の番長としてその名を轟かせた。ところが、ケンカばかりの毎日に嫌気がさし、高校進学を機にヤンキーから足を洗おうとするも、家族から託された“全国制覇”の夢との狭間で二重生活を送るハメになるというコメディだ。主演は間宮祥太朗で、ヤンキー一家の父親役に宇梶剛士、母親役に鈴木紗理奈というのも期待できる。

 一方、日テレの「悪女」は30年ぶりの再ドラマ化だ。落ちこぼれの新入社員・田中麻理鈴が出世に燃える珍騒動を描くコメディである。92年4月期に放送された際の主演は石田ひかりで、連ドラ初主演だった。今期の主演は今田美桜で、こちらはドラマ初主演だ。ドラマ関係者は言う。

石田が特別出演

「90年代初めは、男女の恋愛やファッション性をウリにしたトレンディドラマが人気でしたが、前作の『悪女』が放送された92年、大きな話題となったドラマは、同じ4月期に放送された月9『素顔のままで』(フジ)。連ドラ初主演の中森明菜と安田成美という異色コンビが演じたドロドロの愛憎劇は、最高視聴率31・9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同)を取りました。また7月期に放送されて“冬彦さん現象”を生んだ『ずっとあなたが好きだった』(TBS)も最高34・1%を記録しました」

 重厚なドラマがトレンディドラマ路線の鳴りを潜めさせたと言われる。

「そんな中、ドラマ経験が少ない石田を主演に女性の素直な気持ちを表したドラマは評判を呼びました。彼女はこの後、朝ドラ『ひらり』(NHK)のヒロインを演じて、大女優として育っていきます。今回のリメイクにあたり、石田を特別出演させ、脚本にも新たに手を加えて、昔のドラマファンも取り込む狙いです。主題歌には、J-JUN with XIAという人気ユニットもキャスティングしました。水曜夜10時枠は、日テレにとって伝統のドラマ枠ですから、一定層の視聴者や枠自体のファンも持っていますからね」

 とはいえ、まさかフジに胸を貸す側になるとは……。

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