ロシア側が「丸亀製麺」撤退後も無断営業 メニューそのまんまの「パクリ証拠写真」
ウクライナ侵攻を受け、ロシア国内で営業していた外国企業の撤退が相次いでいる。日本の外食チェーン「丸亀製麺」もその一つだ。だが、フランチャイズ契約をしていたロシア企業は、丸亀側に無断で従来どおりのスタイルのまま営業中だという。モスクワ在住の日本人に店内の様子をレポートしてもらった。
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【写真】店内の壁には「丸亀製麺」の屋号が残されたまま! メニューは同じものの使い回し
「丸亀」→「マル」
外食大手「トリドールホールディングス」傘下のうどんチェーン「丸亀製麺」は、ロシアのウクライナ侵攻を受け、3月上旬にロシア側のフランチャイズ企業と撤退について協議。全店閉店で合意し、同月末までにモスクワに展開していた7店舗を順次、閉店した。
フランチャイズ契約が切れた以上、ロシア側はこれまでの商標は使えなくなり、類似のサービスやメニューも変更しなければならない。だが、4月9日の産経新聞によれば、実際に変更したのは屋号だけ。しかも「マルガメ」を「マル」と縮めただけで、サービスやメニューはまったく変わっていないというのだ。
「丸亀製麺はロシアで展開している唯一の日本外食チェーンでした。19年に『松屋』がロシア展開を目論み、モスクワに1号店を開店したものの、売上の不振でたった半年で撤退。一方、丸亀は13年から営業を開始し、モスクワで7店も拡大するに至った。人気の理由は、サービス内容の良さと安さです」
こう語るのは、モスクワ在住の日本人ビジネスマンである。
いつも通りの「ネギかけ放題」
ロシアでは天かすやネギをセルフで好き放題盛れるようなサービスが珍しく、食事時になると満席になるほど好評だという。
「水やお茶の無料サービスもロシアにはない。だから日本と違って、みんな食後にお茶を2、3杯おかわりして、だらだらお喋りしながら過ごしています。日本人がハンバーガー屋でたむろし続けるようなイメージです」
日本人コミュニティの中でも丸亀製麺は有名で、これまでも頻繁に利用していたという。だが、撤退したと聞いたものの、変わらず営業を継続しているのを見て驚いたと話す。ビジネスマンが送ってくれた店内写真には、壁に日本の縁日のような絵が大きく描かれており、端に「丸亀製麺」の文字も残されたままだった。
「メニュー表もそのまま使いっぱなしですね。釜揚げうどん160ルーブル(約250円)、かけうどん180ルーブル(約280円)、ロシアにしかないトムヤム海老うどん360ルーブル(約560円)も以前のまま。いつものように天かすとネギは入れ放題で、かけうどんにトッピングに二品つけても500ルーブル(770円)くらいでした」
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