尾崎豊“不審死”の8日前をキラー・カーンが回顧 「カレーを注文して“おいしいなぁ”と」
客は「彼って演歌は下手だねえ」
スナックといえばカラオケ。こんなこともあった。
「ある男性客が、尾崎君がいるのに彼の曲を歌い出したんです。僕は“失礼に当たらないかな……”と心配でしたが、尾崎君はそれをニコニコしながら見ている。そして間奏に入った頃かな、おもむろにもう一つのマイクを手に取って、デュエットを始めちゃった。見知らぬ客とも楽しそうに歌う姿は、どこにでもいるごく普通の若者でしたよ」
時には興が乗って演歌を歌うこともあったというが、
「客のリクエストに応じて歌ったのに、その客は後で僕に“彼って演歌は下手だねえ”って。尾崎君自身はどう思っていたのかなぁ」
その後、キラー・カーンのスナックは居酒屋に業態を変え、場所も転々としながら営業が続いた。
「居酒屋には母親を連れてきてね。鯛のかぶと煮の骨を丁寧に取り除いて、身の部分をお皿に取り分けてあげていた。“優しいなあ”って感心しましたよ」
その店も昨年5月に閉店。が、キラー・カーンのもとにはプロレスファンに留まらず、尾崎ファンからも、特製カレーの復活を望む声が寄せられているそうだ。