戦後、五輪を奪われた水泳「古橋廣之進」 ジャップと呼ばれた天才が世界を認めさせた道筋(小林信也)

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 古橋廣之進は、敗戦で打ちひしがれる日本社会に現れた希望の星だった。

 終戦の2年後、1947年の水泳日本選手権で古橋は400メートル自由形に優勝。その記録4分38秒4が世界記録を上回っていたことで一躍注目を浴びた。

 翌年のロンドン五輪に出場すれば金メダルを狙える! だが日本は五輪への道を閉ざされていた。40年に予定していた東京五輪を返上したため、というのが表向きの理由だが、ドイツと共に、第2次世界大戦を引き起こした責任を問われ閉め出されたのは明らかだ。...

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