阪神、開幕9連敗でも・・・「諦めるのはまだ早い」といえる“過去のデータ”

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単独最下位からCS進出

 阪神がセ・リーグでワースト記録となる開幕9連敗と大きく出遅れた。

 4月5日にシーズン初勝利を挙げて連敗がストップしたものの、翌日は延長戦で敗れて、12球団最速の10敗目を喫した。今季限りでの退任を表明している矢野耀大監督の“途中休養”をほのめかす報道も出ている。だが、こんなときだからこそ、あえて言わせてもらう。過去のデータを見る限り、諦めるのはまだ早い。【久保田龍雄/ライター】

 実は、長年の虎党ならご存じのとおり、阪神がスタートからもたついているのは、何も今季に限った話ではない。特に、矢野監督就任以降は、4月に20勝9敗と開幕ダッシュに成功した昨季を除くと、毎年スタートで出遅れているのだ。

 就任1年目の19年は、開幕2連勝のあと、ズルズルと4連敗。4月21日の巨人戦で敗れ、7勝13敗1分で単独最下位に沈んでしまう。その後、投手陣が健闘して、12球団トップの防御率と救援防御率を記録。シーズン3位からクライマックス・シリーズのファイナルステージに進出した。

反撃の狼煙

 一方、コロナ禍の影響で、開幕が3ヵ月遅れた2020年。開幕3連敗も含めて、7月2日までの12試合で2勝10敗と低迷。首位巨人に5.5ゲーム差をつけられ、6チーム中唯一負け越しという“ダントツ最下位”だった。

 不振の理由としては、守護神・藤川球児が不調に陥り、開幕戦で4番を務めたボーアが、15打席連続無安打と不振を極めたことなどが挙げられる。当時も、今季と同様に「開幕12試合で10敗は、2002年の横浜に並ぶセ・リーグ最速タイ」、「矢野政権2年目で最悪借金8」といったように、ネガティブな報道で溢れたことが思い出される。

 そこから、阪神は反撃の狼煙をあげる。その後の13試合は11勝2敗と勝ちまくり、一気に借金を返済。藤川に代わり、スアレスが新守護神に定着したほか、ボーアも満塁本塁打を放つ活躍をみせるなど、次第に投打がかみ合うようになり、最終的に2位でシーズンを終えている。

 このように、19、20年のいずれも、 スタートダッシュの失敗から、見事に軌道修正が成功した結果と言えるだろう。さらに、過去の歴史を紐解くと、安藤統男監監督の就任1年目、1982年も「最悪のスタート」だった。

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