近江・山田陽翔をスカウトはどう見たか? ドラフト候補、今年の高校生は目玉不在という声

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 大阪桐蔭の4年ぶり4度目の優勝で幕を閉じた選抜高校野球。野球界には「春はセンバツから」という言葉があるように、今秋のドラフト会議に向けて、各球団のスカウト陣の動きが活発になっていく。筆者は毎年、春夏の甲子園を取材しているが、今年はコロナ禍による影響もあって、スカウト陣の動きが異なる様子も見られた。果たして、各球団のスカウト陣は、高校生のドラフト候補をどう見ているのか、“本音”を聞いてみた。【西尾典文/野球ライター】

 まず、スカウト陣の動きについて簡単に触れたい。例年であれば、春夏問わず甲子園大会では、全出場チームが登場するまで、12球団のほぼ全てのスカウトが揃って視察に訪れるのが恒例だ。

 だが、今年はどの球団も甲子園に訪れる人数が少なかった。大会の主催者である高野連から各球団に提供される「スカウト席」が通常より少なかった点もあるが、理由はそれだけではないようだ。

大阪桐蔭の選手に高い注目

 選抜の開幕から数日経って、甲子園に初めて顔を見せたスカウトは、筆者にこんな話をしていた。

「(関係者以外、無観客で行われた)昨年の夏の甲子園では、入場できるスカウトは1球団5人までという制限があって、試合によって入れ替わって、視察に訪れました。今年の選抜は、そこまで入場制限は厳しくなく、高野連の割り当て以外にも追加で席を確保しましたが、スカウト全員が揃っていない球団もありましたね。昨年の朝から冬の期間に視察できなかった選手がいる。選抜に出場していない有望株をチェックするために、(選抜の期間中に)甲子園に出たり、入ったりしているスカウトも多いですね」

 選抜期間中は、高校野球では各地区の春季大会が行われていたほか、大学野球や社会人野球のオープン戦も多く組まれていた。このため、他の試合に足を運んでいたスカウトが少なくなかったようだ。

 スカウト陣が分散したことは少し残念だったが、甲子園へ視察に来たスカウトに話を総合すると、圧倒的な強さで優勝した大阪桐蔭の選手がやはり高い注目を集めている。とりわけ、キャッチャーの松尾汐恩と、センターでクリーンアップを打つ海老根優大の人気が高い。

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