園子温、榊英雄監督を勘違いさせた日本映画界の土壌……関係者は「未だにこんな人がいたなんて」

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 映画監督の榊英雄(51)、園子温(60)と、女優へのセクハラ・性加害報道が相次いでいる。ハリウッドの“#MeToo運動”から5年、遅きに失した感はあるものの、日本も例外ではない。次は自分か、と戦々恐々としている関係者もいるようだ。なぜなら、日本映画界には古くから、こうしたことが起こりかねない土壌があったようで……。

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 2017年、米国ハリウッドでは、大物映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインによる数十年にわたるセクハラや性的暴行が明るみとなり、数十名に及ぶ女優が被害を告発した。ワインスタインは逮捕され、強姦罪などで禁錮23年の刑が言い渡されている。

 その“#MeToo運動”が日本でも盛んに報じられた頃、「週刊新潮」(17年11月9日号)は、日本の芸能界「セクハラ白書」を特集した。奇しくも、映画業界にはびこるセクハラについて、女優の神楽坂恵と結婚した園監督はこう答えている。

《「いま、映画界はあまりお金が動かないし、むしろ芸能界じゃないですか。ただ、そうそう、僕が彼女に告白したこともセクハラになりかねないですよね」》

 ある映画評論家は、一連のセクハラ報道について呆れて言う。

「かつての映画業界は潤っていたからね。制作費もどんぶり勘定でふんだんに使えたし、キャスティングだって監督の思いのまま。いい役を取りたい女優が体を張ったこともあったし、その逆もありました。そもそもセクハラなんて概念すらなかった時代でしたからね。女優を綺麗に撮ってあげれば疑似恋愛に陥ることもあったでしょう。しかし景気も悪くなって、お金を製作委員会方式で集めるようになってからは、昔のやり方は通用しなくなりました。そんな時代なのに、未だにこんなことをやっていた監督がいたとはね」

 ならば、景気が良かった頃の映画業界はどうだったのだろう。

深作欣二と松坂慶子

《映画会社の社長で、女優との関係で名高いのは、新東宝の社長時代に「女優を二号にしたんじゃない。二号を女優にしたんだ」と豪語した大蔵貢(1899~1978)。その女優は高倉みゆきだった。長男で大蔵映画社長の満彦氏が述懐するには、

「映画業界にいると男女関係も色々ありますから、私たち家族もそんなに気にしていませんでした。他社のお偉いさんから“君のお父さんもすごいね。あんなこと、俺も言ってみたいもんだ”なんて言われました。でも、高倉さんを家に連れてきたこともないし、おふくろも親父のことは、男の甲斐性くらいに思ってたんじゃないでしょうかね」》(前掲「週刊新潮」)

 監督と女優に関係についても触れている。

《深作(欣二)監督(1930~2003)については、こんな話もある。語るのは元松竹の社員である。

「深作が東映から松竹に真田広之を連れてきて、松竹の看板女優の松坂慶子を使って『道頓堀川』を撮ったときのこと。松坂は自分が、二人を迎える潤滑油になろうとしていたんですが、現場に4日遅れて入ると、深作さんも真田もすでに打ち解けていました。それを見た松坂がすねて、現場の雰囲気が悪くなっちゃったので、製作スタッフが“このままじゃ映画作れないから、作さん、一度松坂とちゃんと話してよ”と新宿のホテルに2泊分、部屋を用意した。結局、そのまま二人で部屋にしけ込んじゃったんですよ」》(前掲「週刊新潮」)

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