バルブ最大手「キッツ」会長のご子息がコロナ禍に「マスク詐欺」!? 親の威光をたびたび利用

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「父親は大企業のトップ」

 国内最大手の総合バルブメーカー「キッツ」(旧社名・北沢バルブ)は売上高1350億円超を誇る。世界でもトップ10入りする企業の顔は、堀田康之会長。業界団体「日本バルブ工業会」会長も務める財界人だが、実は「不肖の息子」を抱える身だった。

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 堀田会長の息子、堀田隼人氏に2億円を騙し取られたと憤るのは、名古屋で焼肉店チェーンを営む俵幸嗣社長。堀田氏とは8年ほど前に地元経営者仲間の集まりで知り合ったという。堀田氏は「エコアース」なる会社を経営し、「電気料金削減コンサルタント」を称する傍ら、青果の卸売業も営み、常々、“父親は東証一部上場の大企業のトップ”と吹聴していたそうだ。

 コトの発端は、2020年の春先。

「堀田さんはコロナ不況もどこ吹く風で、ポルシェを乗り回し、羽振りが良さそうでした。折しも、その堀田さんから“父親の関係なのですが、マスクを大量に仕入れられる会社を見つけました。うちの会社では、仕入れ資金が準備できないので、代わりに出してもらえませんか?”と、持ちかけられたのです」

 堀田氏は、すでに販売先も確保済みで、2億円を出資すれば1週間で配当10%を付けて2億2000万円を返金すると太鼓判を押した。当時、俵社長の焼肉店チェーンは開店休業状態。取引銀行から借り入れた事業資金をどこかで運用しなければならず、その年の4月、マスク500万枚分の2億円を出資したのだった。

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