戦争を“リアル”にしたスマホとSNS 平和への一助になるのか?(古市憲寿)
1991年1月4日、ジャン・ボードリヤールという思想家が「湾岸戦争は起こらないだろう」という論考を仏紙「リベラシオン」に発表した。冷戦が続いた結果、世界には抑止力の論理が働いている。仮に戦争になっても、セックスでいえば「コンドームつき」、地震でいえば「微震」程度にしかならないというのだ。
だが1月17日に多国籍軍がイラクへの爆撃を開始、戦争は起こってしまった。ボードリヤールがすごいのはここからだ。予防線を張っていたとはいえ、予言が外れてしまった。...