ロシアが化学兵器を使用するならばサリン? 「プーチン暗殺」計画が動き出したとの情報も

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極めて残虐な兵器

 実際、前述の「強制連行」が示すごとく、ロシア軍の悪逆ぶりは増す一方。

 3月24日、ウクライナ当局は、戦地で「白リン弾」が使用された、と発表している。白リン弾とは空中でリンを爆発させ、振り注ぐ炎で人体を骨まで焼き尽くしてしまうという、極めて残虐な兵器だ。

「現在、NATOが危惧しているのは、ロシアによる化学・生物兵器の使用です」

 と、佐々木教授が続ける。

 なぜこれを西側諸国が警戒しているかといえば、ここに来てロシアが「ウクライナ政府が化学・生物兵器を保持している」と、虚偽の宣伝を始めたため。いわゆる「偽旗作戦」の一環なのではないか、と強く疑っているというのだ。

「プーチンには“前科”があるからです」

 と佐々木教授。

「1999年、チェチェン紛争が膠着状態となり、国内に厭戦気分が高まった時のこと。モスクワで高層アパートなどの爆破テロが相次いで起こり、プーチンはこれをチェチェン勢力によるものとして再び侵攻を始め、大戦果を上げました」

使われるのはサリン、塩素ガスか

 しかし、後にこれがロシアによる“偽装テロ”だったことが、諜報機関将校の告発によって発覚した。

「今回も同様です。ロシアが自ら化学兵器を用い、それを“ウクライナから攻撃を受けた”とすり替えて国内の危機感をあおり、戦争を継続する大義にするのではないか、との警戒感があるのです」(同)

 ちなみにこの将校こそが、アレクサンドル・リトビネンコ氏。亡命先のロンドンで、放射性物質・ポロニウムによって毒殺されたことで知られる人物だ。

 実際、NATOはその備えとして、ウクライナへの防毒マスクや防護服の供与を決定している。

「仮に今の戦況で化学・生物兵器が用いられるとすれば、すぐに効果を発揮する『一時性ガス』である可能性が高いと思います」

 と分析するのは、元陸上自衛隊化学学校長の吉野俊二氏。

「すなわち、サリンや塩素ガスではないか、と。これらは揮発度が高く、ガスが発生した後に数時間で消えるため、味方への被害が少ないのです」

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