ロシアが化学兵器を使用するならばサリン? 「プーチン暗殺」計画が動き出したとの情報も

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狙いは“人民の入れ替え”

「あのスターリンが行った“民族強制移住”を彷彿とさせますね」

 とは、筑波大学の中村逸郎教授(ロシア政治)。

 旧ソ連の独裁者・スターリンは、第2次世界大戦と前後して、支配地域の中から体制に批判的な民族やグループを辺境の過疎地に移住させた。極寒のシベリアなどの地で過酷な労働に従事させ、甚大な数の犠牲者を生んだのは厳然たる事実だ。

「それと同じことをやっているわけです。狙いは“人民の入れ替え”でしょう。ウクライナの支配地域のうち、ロシア人と同化できない市民などを国内に入れて労働させる。一方で支配地域にはロシア人を送り込み、これらの地を“親ロ化”させるという腹ではないか」(同)

 スターリンはその生涯で合わせて2千万人をも粛清したといわれるが、この度の戦争は、プーチンにもそのDNAがはっきりと残っていることを明かしてしまったようだ。

「まだまだ長引く可能性が高い」

 開戦からひと月を経ても、ロシア軍の苦境は変わらぬまま、だ。

 陸上では間近まで近づいていた首都・キエフから今は55キロ地点までの後退を余儀なくされているし、海上でも大型揚陸艦1隻が撃沈され、2隻が損傷を受けたのは報道された通りだ。

 将官クラスの死者も計7人に増えている。ベトナム戦争以降のアメリカ軍において戦死した将官がわずか1名に留まっていることを見ても、いかに異常な状況であるかは一目瞭然だ。NATOが推計するロシア軍の戦死者数は最大で1万5千人。旧ソ連時代、10年間にわたって行われたアフガン侵攻に並ぶ勢いである。

「この3月25日には、ロシア軍が“東部制圧を優先する”旨を表明しました」

 と述べるのは、元時事通信モスクワ支局長で、拓殖大学海外事情研究所の名越健郎教授である。

「これは非常に大きな出来事です。開戦当初からプーチンはキエフをはじめ、あくまでウクライナ全土の掌握を第一に目指していた。それを東部中心へと方針転換したわけです。作戦がうまく進まず、また、経済制裁のダメージも大きくなり、国内にも動揺が広がってきた。それゆえの苦渋の選択というわけでしょう」

 しかし、では、プーチンがキエフを諦めたかといえばそうともいえず、

「彼はこれまで一度も戦争で引いたことがない。停戦交渉に応じたことさえ異例といえます」

 と述べるのは、元産経新聞モスクワ支局長の、佐々木正明・大和大学教授である。

「キエフの周囲では、進軍こそ止めてはいるものの、塹壕を盛んに掘っています。これは東部を押さえつつ、首都については包囲態勢を敷き、その上でミサイルでの攻撃を増やして、弱体化させるという意図があるのではないでしょうか。この戦争はまだまだ長引く可能性が高いと思います」

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