阪神タイガース セ・リーグのワーストとなる開幕9連敗の背景と矢野監督「退任発言」の余波

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実は日本一は1度

 退路を断つことでチームが一丸となり、有終の美を飾る──。その目論見が崩れたとまでは言わないが、メイク・ミラクル級の巻き返しでもない限り重い借金9を早々に背負ったことは事実だ。

 ところで、阪神ファンの過剰な期待と成績の乖離というのはしばしば指摘されることである。1950年以降、巨人は日本シリーズに36回出場、つまりリーグを36回制覇して22度の日本一に輝いている。日本一の回数でいえば、その次に西武(21回出場で13回制覇)、ソフトバンク(20回出場で11回制覇)、セ・リーグのヤクルトが8回出場して6度制覇と続く。一方の阪神は6度出て日本一はたった1度。1度の日本一というのは、1度の出場でそれを勝ち取った楽天と同数で、実は現行の12球団で“最下位”だ。

「直近の対戦相手である巨人も特段、強いようには見えず、阪神が自滅と言うか、連敗中特有の緊張とか慎重さとかが“野球を小さくさせている”印象を受けました。いまこそ矢野さんの“やりたいようにやる”を前面に打ち出すべき時ではないでしょうか」(同)

 トレードなり、守護神スアレスの穴を埋めるべく大型補強に出るなり……やれることはいくらでもある。矢野監督も負けが込んで、途中休養などといった不名誉な形での退任は望んでいないだろう。

デイリー新潮編集部

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