安倍元総理が稲田朋美の「出版記念パーティー」に出席する理由 背景に高市早苗の存在が
2月20日、63歳の誕生日を迎えた稲田朋美元防衛相の事務所には、2鉢の胡蝶蘭が届けられたという。
一つは、稲田氏が幹事長代行を務めた際に幹事長だった二階俊博氏からのもの。もう一つは、稲田氏が所属する派閥「清和研」の会長・安倍晋三元総理から贈られたもの。注目を集めたのは、後者の胡蝶蘭だった。
政治部記者が言う。
「稲田氏といえば、かつては自民党きってのタカ派議員で、安倍元総理の“秘蔵っ子”とまで言われた人物。ただ、ここ数年は夫婦別姓問題や、LGBT政策に積極的に取り組み、リベラル的とのレッテルを貼られることも。結果、安倍氏の岩盤支持層である保守勢力からは非難され、安倍氏とは距離ができたなどと報じられもしました」
二人の雪解けを象徴するかのような、真っ白な胡蝶蘭。しかし“贈り物”はそれだけではなかった。
「4月8日、稲田氏が地元・福井で開催する出版記念パーティーに、来賓として安倍氏の出席が予定されているんです」(同)
安倍氏自ら福井まで出向くとは、よほどの特別扱い。巷間、その理由としてささやかれているのは、ある女性国会議員の存在である。
稲田氏の機嫌を取る理由
自民党関係者によれば、
「高市早苗政調会長のことですよ。安倍氏は昨秋の総裁選で無派閥の高市氏を支持。ただ、彼女は清和研を飛び出した過去があり、派閥内には高市支持を快く思わない議員も多かった」
総裁を目指すと公言する稲田氏は、そんな“反高市”派の一人。総裁選後に高市氏の安倍派入りが取り沙汰された際には、強硬に反対したといわれる。
「安倍派は94人を擁する最大派閥ですが、総裁候補となれば、稲田氏のほか、下村博文氏や西村康稔氏など今一つパッとしない人材ばかり。安倍氏が悲願の“キングメーカー”として君臨するためには、次も派閥外の高市氏を推すことになるのは明らかです。だから安倍氏としては、稲田氏の機嫌を取る必要があった。福井まで赴くのもそんな思惑からですよ」(同)
一方、高市氏を巡っては、あの女性議員の名前も。
「二階派を破門された片山さつき参院議員です。彼女は総裁選での高市氏支持と引き換えに、安倍派に入れてもらう約束を取り付けていた。ところが、アクの強い性格から派閥幹部らは受け入れに反対。片山氏は3月17日にあった安倍派議員のパーティーにも顔を出すなど売り込みに懸命ですが、出席した安倍氏は片山氏と目を合わせることもありませんでした」(政治部記者)