「バーバリーロス」から立ち直れず6期連続赤字の「三陽商会」 2年前の「身売り危機」を振り返る
リーダーシップが不足
案の定、三陽商会はRMBに目を付けられた。RMBの本拠地は米国シカゴで、資金量は1兆円を誇るという。日本におけるファンドの運用責任者は、野村證券出身の細水政和という人物である。そのRMBから三陽商会に自社売却の要求が始まったのは、19年12月のこと。
当の細水氏に訊くと、
「20年4月14日、三陽商会は決算発表とともに新体制案と再生プランを公にしました。しかし、中山社長が副社長に降格しつつも取締役として残留するという中途半端な責任の取り方で、あまりに甘過ぎる現状認識です」
そもそも、再建を実行するリーダーシップが不足しているという。
「その根本原因は、“中山副社長人事”に見られるように幹部が責任を明確に取らないことです。結果、社員が幹部に面従腹背し、指揮系統が崩壊している」
対する三陽商会は、20年5月の株主総会後に誕生した大江伸治新社長のもと自主再建を目指してきた。だが、いかなる理由であれ、6期連続赤字は事実。この状況を、物言う株主はどう見るか。
「週刊新潮」2020年4月30日号「MONEY」欄の有料版では、20年当時の細水政和氏と大江社長の主張を詳報する。
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