橋下徹らの「ウクライナ降伏論」への反論 ロシアに祖国の一部を侵略された専門家の証言
国際的に通用しない
平川祐弘・東京大学名誉教授(比較文化史)も次のように言う。
「ウクライナに降伏を促すのは、余計なお節介ですよ。そんなに言うなら、自らクレムリンに乗り込んで、戦争を止めるようプーチンを説得してほしいですね」
また先のダヴィド氏も、
「今、降伏を勧めたって、ロシアを励ますメッセージにしかならないというのが分からないのでしょうか。まるでロシアが流しているプロパガンダのようです。それ自体はウクライナに直接届かないかもしれませんが、日本の世論に与える影響力を考えると、見過ごすことはできません」
と釘を刺す。平川氏が喝破するところ、
「日本は島国という環境もあり、なんとなく安心感があって、特殊な平和主義が罷り通っているだけです。でも、その感覚は国際的に通用するものではないでしょう。自由とは本来、死を恐れていては得られないものなのですから」
だからこそ凄絶な戦況下でも、ウクライナ人は抵抗を続けるのである。彼らにとって、祖国の喪失は自らの命を奪われるに等しいのだ。
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