愛子さま会見に見る秋篠宮家との「文化の差」 感謝の言葉と「皇族としての覚悟」
3月17日に開かれた愛子さまの初めての会見。家族問題カウンセラーの山脇由貴子氏は、この会見をどのように分析したのか。
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今回の会見を拝見して、ご両親の教育の差、そしてご家庭の「文化の差」といったものが顕著に表れていると強く感じました。
愛子さまの会見自体、昨年秋の眞子さんと小室さんの結婚会見と比較されるであろうという点を、十分に念頭に置いてなされたものだったと思われます。というのも、今回は「これまでたくさんの愛情を注ぎ育ててくださったことに深く感謝しております」「私も“生んでくれてありがとう”と伝えたい」など、ご両親への感謝の言葉が目立ちましたが、このようなフレーズは眞子さんの会見ではみられませんでした。
さらに「国民と苦楽を共にしながら務めを果たす」のが皇室であるというお言葉も発せられています。これは“今後も皇族として生き続け、外には出ない”といった意思表示、宣言のように私には感じられました。眞子さんは皇室から離脱する大変さ、そして皇族で居続けることの大変さを我々に示しましたが、それとは対照的です。「天皇の娘」としてきちんとした教育を受けてこられたことが、はっきり伝わる会見でした。
「覚悟の差」
秋篠宮さまは、お若い頃から少し型破りといいますか、「皇族」という枠に収まることに疑問を持たれていて、いわば「皇族らしくないお振る舞い」をよしとなさってきたところがありました。それは、悠仁さまを学習院に通わせなさらなかったことからも十分にうかがえますが、それに比べると、愛子さまが会見で見せたお振る舞いというのは、現在の我々が“こうあってほしい”と思うところの皇室観と、実にマッチしていると思います。これはご家庭の文化の差であり、また皇室観というものも時代によって移り変わるでしょうから、一概にどちらが良い悪いとは言い難いところです。
ただし、そうした皇室の枠にはまらない教育を、お子様である悠仁さまに押し付けられるのはいかがなものでしょうか。秋篠宮さまがご自身だけで実践なさるのならまだしも、これまで皇族を受け入れてきたノウハウのある学習院ではなく、経験の蓄積が全くなく、周囲からも守られていないような環境に幼稚園から入れられるというのは、周囲の大人が考える以上に、お子様ご本人にとっては大変であるはず。「息子にはあえて皇族らしくない人生を歩ませたい」というご両親のお考えが、強く反映されているのではないでしょうか。
こうしたご両家の文化の差、ひいてはご両親の「覚悟の差」というものは、これから愛子さまと悠仁さまが成長なさるにしたがって、より顕著になっていくのではないかと思います。