地震で脱線した東北新幹線、300キロ走行中ならどうなった? 「多数の乗客に被害が及んでいた可能性」
新幹線の「安全神話」
日本大学鉄道工学リサーチ・センターでセンター長を務める綱島均教授は、
「地震対策で最も優先すべきは構造物で、ここが壊れてしまえば大惨事は免れません。鉄の板をコンクリートの柱に巻くなどの補強がオーソドックスなやり方ですが、これも実際に地震が来ないとどこまで有効かは分からない。もちろんJR各社は耐震補強工事を行っており、今回死者ゼロで済んだことの一因になっているかもしれませんが、人的被害が少なかったという結果論で安堵するのではなく、どの程度これまでの教訓が生きたのか、想定が甘かったのかを常に社会全体で検証していく必要があると思います」
開業以来、災害や車両事故で乗客の死者が出たことのない新幹線の「安全神話」を、過信してはいけないのだ。
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