マスターズの「招かれざる選手」となったミケルソン “カネ”への執着で誰も助け船を出さない自業自得

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「ギャンブル代を2ミリオン以上借金」

 ミケルソンの問題発言は、昨年11月に米国のゴルフライターが自著の出版のために行ったインタビューで発せられたものだ。その本は今年5月に出版される予定で、そこに記されているであろう、さらなる「ミケルソン発言」に人々の視線が集まることは間違いない。

 そして今年12月に、「ミケルソン発言」を暴露する別の本も出版される予定だという。この本は、2017年にインサイダー取引で逮捕され、5年間の刑務所生活となった先述の「ギャンブル王」ウォルター氏が、米国のジャーナリストと共著で出版するもので、ウォルター氏は「フィルも儲けを得た」「フィルはギャンブル代を2ミリオン以上、私に借金していた」等々を赤裸々に明かすらしい。

 こうして振り返れば、ミケルソンには金銭への強い執着があったのだとわかる。しかし、その一方で、ミケルソンがゴルフ界で築いてきたもの、貢献してきたことはゴルフ界の財産になっていることも確かだ。そんな貢献者を、周囲はこのまま見捨てるのだろうか――。

 ゴルフ界のレジェンドが、どこまでも堕ちていく姿を目にすることは、あまりにも悲しすぎる。

舩越園子(ふなこし・そのこ)
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。早稲田大学政治経済学部経済学科卒。1993年に渡米し、在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。『王者たちの素顔』(実業之日本社)、『ゴルフの森』(楓書店)、『才能は有限努力は無限 松山英樹の朴訥力』(東邦出版)など著書訳書多数。1995年以来のタイガー・ウッズ取材の集大成となる最新刊『TIGER WORDS』(徳間書店)が好評発売中。

デイリー新潮編集部

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