大阪桐蔭vs国学院久我山、近江vs浦和学院が選抜ベスト4で激突 勝負の鍵を握る「注目選手」にスカウト陣が熱視線!

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第2試合 大阪桐蔭vs.国学院久我山の行方は…

 第2試合は、大阪桐蔭の強力打線に対して、国学院久我山がどのような継投で立ち向かうのか、大きな見どころとなりそうだ。大阪桐蔭は、上位から下位まで力のある打者が並び、2回戦の市和歌山戦では、大会タイ記録となる1試合6本塁打を記録。その長打力は大会ナンバーワンだ。

 捕手の松尾汐恩とセンターの海老根優大がスカウト陣の注目を集めているが、トップバッターの伊藤櫂人も忘れてはならない。市和歌山戦では、選抜史上初となる1イニング2本塁打を放ち、非凡な打撃センスを見せつけた。

「伊藤の打撃は変な癖がついていないのがいいですね。ヘッドスピードも速く、初球からどんどん振りにいく姿勢も評価できます。サードの守備もいい。右バッターで力があって、守備がいいサードという選手は少ないため、伊藤に注目している球団も多いと思います」(前出の関西地区担当スカウト)

 また、伊藤は市和歌山戦で2四球を選び、トップバッターとしての役割をしっかりと果たしている。後ろを打つ2番の谷口勇人が好調なだけに、伊藤がどれだけ出塁できるのか、準決勝での勝負を分ける大きなポイントになるだろう。

 対する国学院久我山は、「超高校級」と言える投手は不在だが、継投で接戦を制してきたチームだ。1回戦は、エースの成田陸が完投しているものの、それ以降は複数の投手を繋いできた。準決勝で誰を先発させるのか。大阪桐蔭は、1回戦で鳴門のエース、富田遼弥に3点に抑えられたほか、過去もサウスポーに苦戦しているケースが多い。

 このため、国学院久我山としては、サウスポーの松本慎之介と渡辺建伸のどちらかを先発に立てることも十分に考えられる。中盤まで何とか失点を防ぎ、ロースコアの展開に持ち込めれば、勝機が出てくるだろう。

 戦力を考えると、第1試合はほぼ互角、第2試合は大阪桐蔭が優勢と、筆者は見ているが、一発勝負だけに思わぬ展開となることも十分に考えられる。どちらの試合も、最後まで手に汗を握る熱戦が繰り広げられることを期待したい。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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