投資家無視の「東証改編」、上場企業の意向で看板を掛け変えただけのお粗末

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日本郵政も「プライム」とは

 実際、新たなプライム市場には、「プライム(最も重要な)」と言う割に、旧態依然とした日本の大企業が並ぶ。発行済み株式の6割以上を日本政府が持ち続けている日本郵政なども「プライム」なのだから推して知るべしだろう。前出の証券記者が引き取る。

「結局、東証1部からスタンダード市場に移行したのは344社でしたが、市場関係者の多くは『格落ち』と見ている。東証2部の企業はスタンダード市場にそのまま移っていますし、スタンダード市場に移行した企業は、もともと流動性が低く売買高が少ないなど、東証1部の基準にもギリギリだったところも多いのです。

 東証の区分変更は大証と統合する前、かれこれ10年来の懸案でした。もうひとつ長年の懸案だった東京商品取引所との統合も、ここ2年でようやく実現したんです。いわゆる『総合取引所』ですが、構想は2006年頃から浮上していたのに役所の縦割り行政もあって実現しませんでした。その間に、世界は株式だけでなく、商品やそれぞれの先物取引、デリバティブ(金融派生商品)取引を一元的に行う総合取引所が当たり前になりました。完全に日本の取引所は時代に乗り遅れたのです」

 日本経済の凋落が取り沙汰される中で東証改編が行われても、東京マーケットの地盤沈下が止まるとは思えない。

デイリー新潮編集部

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