【本庄・5歳児遺棄事件】中心に“死を招く女”が 父と義母が行方不明、競艇選手の夫は自殺

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 幼き子供が亡くなるという無残な結末は必然だったのだろうか。埼玉県本庄市で5歳の男児の遺体を遺棄し、3人の男女が逮捕された。目張りをした“黒い家”で営まれたあまりに異様な同居生活。その中心には「死を招く女」の存在があった。

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 江戸時代は武蔵国最大の宿場町として栄えた本庄。市中心部の本庄駅から北東に500メートルほど、旧中山道から住宅街に入った場所に、周辺住民の奇異な視線にさらされてきた、その「家」がある。

 窓に目張りがされた木造2階建て。1階和室の床下の土中で、今月5日、柿本歩夢(あゆむ)くん(5)の遺体が仰向けの状態で発見された。死体遺棄の容疑で逮捕されたのは、歩夢くんの母親の柿本知香容疑者(30)、同居していた石井陽子容疑者(54)、その内縁の夫である丹羽洋樹容疑者(34)だった。

 県警担当記者が解説する。

「逮捕された3人に血縁関係はなく、柿本母子がこの家で同居するようになったのは、昨年1月からです。柿本容疑者は一緒に住んでいた夫と喧嘩になり、トラブルになったため家を出、現場近くに住むママ友のつてをたどって、石井容疑者らと住むように。その後、歩夢くんの身に異変が起きていたとみられるのです」

ラーメン店での「異様な光景」

 その一端は地元の飲食店で目撃されている。歩夢くんを連れて容疑者3人が通っていたラーメン店の店主が、

「歩夢くんが長時間にわたり説教され、虐待されている、そう思いました」

 と、当時の様子を語る。

「昨年の夏くらいから3回ほど来店しました。滞在時間は1時間から2時間程度なのですが、丹羽が歩夢くんを正座させてずっとネチネチと説教をしているのです。歩夢くんは目の前にあるチャーハンを食べることができず、残りの3人は平然と食事をしている。その様子を母親がスマホで撮影しているようにも見えた。異様な光景ですよ。そして、ランチタイムの閉店間際になると、ようやく許しが出て、歩夢くんはチャーハンを食べられるのです」

 店の常連客も言う。

「丹羽が“お前が言うことを聞かないからママが前のパパに怒られるんだぞ”とうつむく歩夢くんに言い、“何で答えられないんですか。早く答えて下さい”と責めていました。歩夢くんはおえつしているようにも見えました」

 不審に思った店主は歩夢くんから名前と保育園名を聞き出し、昨年9月、市役所に通報。市は歩夢くんに外傷がないことなどから「虐待の兆候はなし」としたが、今年1月、今度は歩夢くんが保育園に登園しなくなってしまう。柿本容疑者は「息子は大阪の実家にいる」と市に説明するも、実家への転居の事実がなかったことから今月になって事件が発覚したのだ。

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