悪知恵と陰謀を巡らす文在寅政権 新旧大統領会談でこっそりお願いしたいこと

国際 韓国・北朝鮮

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 韓国の尹錫悦政権は、5月10日午前0時に発足するが、大統領府(青瓦台)の移転をめぐり文在寅大統領が嫌がらせを展開している。見苦しい行為だが、退任後の逮捕回避への悪巧みがミエミエだ。さらに政権発足時に打撃を与え、尹錫悦政権の弱体化を図ろうとの手も打つ。韓国につきまとう、悲しい陰謀政治だ。

密室会談で逮捕回避の悪巧み

 この新旧政権の全面衝突の背後には、逮捕回避のもくろみがある。メディアは報じないが、文在寅大統領と政権高官の逮捕逃れと、尹錫悦政権の行方がかかった全面戦争だ。

 韓国では大統領交代の際に、新旧政権の引き継ぎ交渉が行われる。政権移譲に混乱を招かないためだ。米国の大統領制度を、参考にしている。新旧大統領の会談が行われるのも、慣例だが、暗礁に乗り上げた。

 文在寅大統領は、新旧大統領二人だけの密室会談を求めた。尹錫悦氏は拒否し、政権引き継ぎ委員を入れた全体会議にしたいと応じたが、文在寅は「失礼だ」と受け入れなかった。何が「失礼」なのか、よくわからない。

 何があるのか。尹錫悦氏は、二人だけの密室会談にしたら、文在寅が「自分と家族を逮捕しないでほしい」との話を持ち出す、と警戒した。この申し出を拒否するにしろ、受け入れるにしろ密かに録音・録画される危険がある。後で公開されたら、新政権は窮地に立たされる。この手口を知っているから、新大統領は拒否した。

 実は、大統領選挙では文在寅大統領と与党候補の李在明氏の関係は、最悪だった。文在寅大統領は李候補の支持率低下を理由に、大統領候補を入れ替える工作をしているとの噂も流れた。ところが二人だけの密室会談が行われ、関係は突然改善した。大統領は全面支援を約束し、李在明氏は当選したら大統領を逮捕しないと約束した、との話が広がった。同じように、文在寅大統領には尹錫悦当選者との密室会談を、実現させる必要があったが失敗した。

青瓦台は王様的権威と独裁の象徴

 文在寅は、なお秘密会談を実現させるために、次の悪知恵をはたらかせた。「青瓦台(大統領府)移転絶対反対」だった。文在寅政権は、「青瓦台移転には巨額の予算が必要になる」と批判し、協力しない立場を表明。尹錫悦氏は、大統領就任まで移転作業ができなくても青瓦台には入らない、仮設の執務室で仕事をする、と一歩も譲らない。この攻防戦には、政権の行方が掛かっているのだ。

 青瓦台は、屋根の瓦が青色なのでそう呼ばれる。日本支配時代の朝鮮総督の官邸だった。日本の力を誇示するために、王様が住む景福宮を見下す位置に建てたのだから、趣味が悪い。被支配民族の悲しみを理解する心がない。植民地支配の象徴である青瓦台を大統領官邸にした方も、おかしい。

 青瓦台は、日本支配の象徴で、独立後は「政権独裁」の権威になった。これを打破するため、尹錫悦氏は選挙公約に「青瓦台」移転を掲げた。「青瓦台は、帝王的大統領のイメージの象徴だ」と批判した。大統領の権限濫用を抑え、自由民主主義国家にしたいとの思いだ。

「権威主義」は、韓国政治の伝統的な文化といわれ、尹錫悦氏はそれが独裁政治を生み出したと考え、権威主義を韓国政治から追放しようとしている。韓国の大統領は王様のように振る舞い、多くの権限を濫用した。

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