タモリが沈黙した「タモリステーション」 それでもテレ朝が大成功だったと喜んだワケ

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「報ステ」と一緒

大下:タモリさん、改めまして今日は「タモリステーション」、2時間にわたってウクライナについてお送りしてきましたけれども……。

タモリ:まあ、あの、こうしている間にも、大勢の人がウクライナで亡くなっているわけですね。というより殺されているわけですから。ま、色々ありますけれど、1日も早く、平和な日がウクライナに来ることを祈るだけですね。

大下:タモリさんは昭和20年の8月22日にお生まれになっているということで……。

タモリ:終戦の1週間後です。

大下:そうですね。そしてまた令和の世の中で、このウクライナ戦争ということをお送りしなければならなくなってしまいました。今日は皆さん、貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。

タモリ:ありがとうございました。

大下:この後は「報道ステーション」をお送りいたします。

――これで終しまいである。

「これなら、『報ステ』の3時間半スペシャルでもよかったと思います。実際、『報道ステーション』というタイトルで放送しないと誤解を生む、というクレームもあったそうですよ」

 なぜテレ朝は、そこまで「タモステ」にこだわったのだろう。

年度視聴率三冠の夢

「テレ朝の徹底したニュース戦略による、視聴率獲得作戦だと思います。ロシアによるウクライナ侵攻が囁かれ始めた2月上旬から、『報ステ』の視聴率は上昇しています。この番組が高視聴率を獲得することで、テレ朝のゴールデン・プライム帯の視聴率を底上げすることができるのです。つまり、テレ朝全体の視聴率アップに貢献できるわけです。『報ステ』3時間半スペシャルを放送するよりも、夜8時から『タモステ』という目新しいスペシャル番組で高視聴率を獲得した上で、『報ステ』にバトンタッチし、高視聴率を獲得できれば、年度三冠王も現実的になると踏んだのでしょう」

 今回、「タモステ」の視聴率は世帯視聴率13・5%、個人視聴率は7・8%だった。

「前番組の『ザワつく!金曜日』は世帯13・5%、後番組の『報ステ』は13・8%でした。リレーは上手くいったと考えていいでしょう。タモリさんが一体いつ話し始めるのかが気になり、ついつい最後まで見てしまった視聴者も少なくなかったのではないでしょうか。まんまとテレ朝の戦略にはまったわけです」

 2021年度三冠王は、4月3日までの放送を以て決定する。

「4月に入っても、おそらくウクライナ情勢の報道は続くでしょう。22日には『芸能人格付けチェック』が放送され、29日にはサッカーW杯最終予選の日本VSベトナム戦の中継も予定されています。テレ朝はいま、ラストスパートをかけているわけです」

デイリー新潮編集部

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