ゼレンスキー大統領の国会演説に異を唱えた2人の日本人 外交評論家は「能天気というほかない」

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泉代表の反対意見

 立憲民主党の泉健太代表も16日にTwitterを更新した。

〈ゼレンスキー大統領による日本の国会での演説。他国指導者の国会演説は影響が大きいだけに、オンライン技術論で論ずるのは危険。私は日本の国民と国益を守りたい。だから国会演説の前に『首脳会談・共同声明』が絶対条件だ。演説内容もあくまで両国合意の範囲にすべき。それが当然だ。〉

 演説内容について事前に合意を形成すべきだとする泉氏の主張については、

「誰かと打ち合わせてのんびりやるようなことではありません。普通の国が平時に国会で演説したいと言ってるのとは、わけが違います」(田久保教授)

 党内からも批判の声が上がったことを受け、泉氏は、演説自体に反対したわけではないと釈明。しかし、事前の調整が必要という主張を崩さなかった。

死に物狂いで世界に訴えたい

 これらの反対意見について田久保教授は、

「鳥越氏も泉代表も能天気と言わざるを得ません。ゼレンスキー大統領にとっては、国の興廃がかる状況で、死に物狂いになって世界に訴えたいことがあるわけです」

 さらに、

「既にアメリカや欧州は一致団結し、ロシアへの経済制裁を強めていますが、岸田首相はG7のなりゆきを注視するなどと悠長なことを言っており、世界の潮流から取り残されている。どんなキーワードを使うかといった小手先のことではなく、この重要な局面でゼレンスキー大統領が自分の言葉で世界に向けてメッセージを発信すること自体の意味の方が大きい。ウクライナの危機感が、ようやく日本にも伝わるのではないでしょうか」(同)

デイリー新潮編集部

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