「引退間近」や「世界にたった一つ」も いまだから乗っておきたい列車をレコメンド…四国「DMV」、JR九州特急「かもめ」、JR西日本特急「やくも」
もう一つ難題とは?
この路線を楽しむには難題もあることはお伝えしておかねばならない。マイクロバスを流用しただけにDMV用の車両の旅客定員は座席18人・立席3人の計21人と、一般的な鉄道車両と比べるととても少ない。加えて、1日の列車の本数も平日が両方向とも13本ずつの計26本、土休日が同じく12本ずつの計24本と少ないので、わざわざ乗りに行っても満員で乗れないということになる可能性が濃厚ではある。
「発車オーライネット」で座席の予約が可能なので、乗りたい方は事前に座席を確保しておきたいところ。大人1人の運賃は阿波海南文化村-道の駅宍喰温泉間が800円、阿波海南文化村-海の駅とろむ間は2400円だ。
DMVの乗車にはもう一つ難題が控える。鉄道でアクセスするには徳島駅からJR四国の牟岐線で行くのが順当なコースながら、阿波海南駅方面の列車の本数は少ないうえに接続もよいとは言えないことだ。首都圏方面からでは日帰りは無理なので、道の駅宍喰温泉駅周辺で宿泊するプランを立てるとよいであろう。
JR九州特急「かもめ」の大変動
博多駅(一部は門司港駅)と長崎駅(同佐賀駅)との間を結ぶJR九州の特急「かもめ」は今回のダイヤ改正で特に変わったところはない。平日に毎日運転される本数は長崎駅方面が24本、博多駅方面が26本の計50本で、博多-長崎間153.9kmは約2時間で結ばれている。
ところが、今年の9月23日には「かもめ」に大変動が起きることが確実になった。西九州新幹線がこの日に開業の運びとなっているからだ。
西九州新幹線は佐賀県武雄市にある佐世保線の武雄温泉駅と長崎市を代表する長崎駅との間の66kmを結ぶ。途中、佐賀県嬉野(うれしの)市の嬉野温泉駅、長崎県大村市の新大村駅、長崎県諫早(いさはや)市の諫早駅の3駅が設けられる。
JR九州はすでに西九州新幹線の列車の愛称名を「かもめ」と、在来線の博多-武雄温泉間に新たに誕生する特急を「リレーかもめ」とするとそれぞれ発表した。
武雄温泉駅では「かもめ」と「リレーかもめ」とが同じホームに向かい合わせになるように停車するので乗り換えが楽で、両列車を乗り継ぐと博多-長崎間は最速でいまよりも30分ほど短い約1時間20分で結ばれる。という次第で、在来線の特急「かもめ」は9月22日で見納めとなる。
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