「R-1」「ヤクルト1000」 各社の乳酸菌飲料の効果を徹底比較 目的ごとのオススメは?
免疫機能を高めたい人へのオススメは?
いまはコロナ禍の関係で、免疫機能を高めたいと思っている人は多いでしょう。そのために最も重要なのは、ウイルスをやっつける抗体を産生するB型リンパ球(B細胞)の活性化だと、私は考えています。
これは血液中の白血球の一種で、前述のNK細胞も白血球の一種です。しかし、抗体産生という大事な役割を果たすB細胞は、白血球全体の1.5%程度しかありません。健康診断での白血球の正常値は1マイクロリットルあたり3300~8900個で、仮に1マイクロリットルあたり5千個とすると、B細胞は75個しかありません。このように限られた免疫細胞を刺激し、免疫機能を高めるという観点からみれば、「R-1」や「iMUSE」はお薦めだと思います。
〈現在、オミクロン株に感染し、誤嚥性肺炎などを発症する高齢者が少なくない。また、これは新型コロナにかぎらず、例年、風邪やインフルエンザをこじらせて肺炎を発症する高齢者は多い。
そのとき自分を守れるかどうかは、結局のところ免疫力次第。それだけにこうした商品の存在は心強い。免疫細胞はがんとも闘ってくれるものだから、その点でも期待できるかもしれない。〉
いつ飲むのが効果的?
では、いつ摂取すべきか。それは求める効果次第で変わってきます。
カルシウムを多く摂りたければ、朝一番の空きっ腹や食前の摂取がいいでしょう。一般にカルシウムは吸収されにくく、ほかの物質と簡単に結合して沈殿してしまいます。しかし、空きっ腹なら胃のなかで胃酸が濃い(pH値が低い)ので、カルシウムが体内に吸収されやすいカルシウムイオンに変化しやすく、吸収効率が上昇します。
生きた乳酸菌による整腸作用を期待するなら、食後は胃酸が薄まって乳酸菌が生き延びやすいので、効果的だと思います。また、脂肪が少ない食品と一緒に摂れば、胆汁酸の分泌も少なくなるので乳酸菌数も減りません。
免疫力の向上を求めるなら寝る前に飲むのが一番でしょう。乳酸菌が住み着きやすい小腸には、体全体の免疫機能の7割が集中しているといわれ、就寝中に活発に活動して免疫機能が増強されます。夕食後数時間が経過して食物の消化が進んだ就寝前なら、食物に邪魔されずに小腸で存分に効果が発揮されます。それにヨーグルトのベースは牛乳。睡眠の質の向上も期待できるかもしれません。
〈「iMUSE」はパッケージに「朝の免疫ケア」と謳うが、単に朝の摂取を習慣化したほうが飲みやすいからではないか、と齋藤氏は指摘する。〉
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