「鎌倉殿の13人」で注目の坂東彌十郎 “遅咲きの苦労人”の半生と転機
転機は三谷幸喜の舞台への出演
歌舞伎一筋で生きてきた彌十郎に、大きな転機が訪れたのは3年前。三谷幸喜(60)が“三谷かぶき”の名で手掛ける「月光露進路日本(つきあかりめざすふるさと) 風雲児たち」への出演だった。
「松本白鸚(79)や松本幸四郎(49)との共演でしたが、三谷は初めて見る彌十郎の演技に惚れ込んだといいます。それは『鎌倉殿の~』での脚本担当が決まると、NHK側に“時政役は彌十郎で”と強く推したことからもうかがえます」(同)
威厳に満ちた甲冑(かっちゅう)姿の一方で、女性に鼻の下を伸ばすコミカルな姿も印象的だ。
「自身は都心の育ちですし、歌舞伎界には豪邸が建ち並ぶ世田谷や目黒で暮らす仲間も多い。にもかかわらず、庶民的な板橋区が好きで住み続け、昨年は区の観光大使に任命されました。多趣味でも知られ、英語と仏語にも堪能。自身が旅して撮影したスイスの風景写真の個展を開いたこともありました。俳句も嗜み、俳号は“酔寿(すいす)”だそうです」(同)
[2/2ページ]