プーチンとのパイプで注目も… 「マクロン」にフランス国民からの3つの批判
ロシアのウクライナ侵攻が始まって以来、世界からロシアへの経済制裁が強化されています。欧米諸国はロシアに抗議を表明しているものの、プーチンと直接会話できる首脳は多くありません。
そんな中、フランスのマクロンは3月12日にもプーチンと電話会談を行いました。マクロンは現在、欧州連合理事会の議長ということもあり、プーチンを訪問したり頻繁に電話対談したり、貴重なパイプ役となっているようです。【ヴェイサードゆうこ/在仏ジャーナリスト】
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欧米諸国はロシアへの経済制裁を強化し、SWIFT(国際銀行間通信協会)からロシア銀行を除外、資産凍結の対象を拡大するなどしています。フランスもこれと歩調を合わせ、ロシアの富豪が国内に所有する邸宅やヨット、高級車などの資産を差し押さえる法的手段を整えています。
国としてこうした対応をとりつつも、マクロンはプーチンとのつながりを保ち続けます。2017年の大統領就任後にプーチンをヴェルサイユ宮殿に招き、地道な外交活動を続けてきた結果、対話の窓口が開かれているようです。フランスとロシアの間には、ウクライナのみならず、シリアやアフリカといった地域に関わる議題がたくさんあるので、パイプはお互い必要なのです。とはいえ、主張が一致しているわけではありません。
ウクライナ侵攻をめぐり複数回行われた会談の様子も、「和やかであった」との報道がある一方で、「終始緊張を伴い冷たい空気だった」との評もありました。真相は定かではないわけですが、国際政治におけるロシアとフランスの立場を鑑みれば、緊張した雰囲気のまま会談が行われたことは想像に難くありません。
それでもマクロンが対話を継続してきた背景には、彼が欧州連合理事会の議長を務めているため、ロシアとの窓口を自認し、外交活動をしている節もあります。ちなみに2017年のフランス大統領選挙の際、プーチンはマクロンの対立候補だったマリーヌ・ル・ペンをロシアに招待していました。どうやらプーチンはル・ペンを応援していたようで、それを考えるとマクロンとプーチンが個人的に親しいというのは、少し考えにくいと思います。
パイプ役ともいえるプーチンとの繋がりはこの非常時において貴重でしょうが、フランス国内からはマクロンを批判する声が聞こえます。
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