新庄剛志、西岡剛、元木大介…記憶に残る“トリックプレー”を振り返る!

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 野球のトリックプレーといえば、隠し球がおなじみだが、長いプロ野球の歴史の中では、それ以外にも「なるほど、その手があったか」と目から鱗が落ちるような騙しプレーの数々を“グラウンドの詐欺師”たちが演じてきた。そんな記憶に残るトリックプレーを振り返ってみよう。【久保田龍雄/ライター】

“本場米国仕込み”と話題

 隠し球とともに多くの選手が成功させているのが、“捕球したフリ作戦”である。2004年、4年ぶりに日本球界復帰をはたした日本ハム・新庄剛志が同年4月6日のロッテ戦で披露したプレーは、“本場米国仕込み”と話題になった。

 0対0の2回、日本ハムは1死二塁のピンチに、先発・ループが井上純にセンターに長打性の大飛球を打たれてしまう。すると、新庄は完全に頭上を越されたにもかかわらず、フェンス手前で落下点に入るポーズを取った。

 これを見た二塁走者・ベニーは「捕られる」と勘違いし、慌てて二塁に戻る。「ベニーが戻ってきたのを見て、ちょっと笑ってしまった」という新庄は、フェンスに当たって跳ね返ってきた打球をノーバウンドで処理すると、すかさず内野に返球。「騙された」と気づいたベニーは再び走りだしたが、三塁でストップするしかなかった。

 2死後、ループは連続四球で押し出しの1点を献上したが、新庄の好アシストがなければ、痛恨のビッグイニングになっていた可能性もあっただけに、このプレーは大きかった。

 この日の新庄は、打撃でも幸運を呼び寄せて、ヒーローになる。1点を追う5回2死三塁、カウント2-1から小宮山悟の4球目をスイングすると、詰まった当たりが小宮山の頭を越え、前進するショート・小坂誠の前にポトリと落ちた。

 この間に新庄は一塁に全力疾走し、派手に倒れ込むようにしてセーフ。この内野安打が開幕から9試合、39打席目に飛び出したシーズン初タイムリーとなり、「あの1本は(小宮山に)効いたんじゃないかな。オーバーアクションも決まったしね」と破顔一笑した。終わってみれば4対1の快勝に、ヒルマン監督も「今まで見た中でも非常に印象に残った騙しプレーだった」と新庄に最大の賛辞を贈った。

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