「タイの国民的女優」がチャオプラヤ川で水死 実母が“殺人”を示唆し国民は騒然
“肺の中から砂”
仮に母親が示唆したような「殺人」がありえるとすれば、「容疑者」はボートの操縦者以外の5人に絞られることになる。
報道によれば、ボートにはマネージャーのイッサリン“ガティック”ジュタズクサワト氏のほか、スピードボートの共同所有者2人、バンコクに拠点を置くデジタルコンサルタント会社の創業者兼CEOの男性、高級理髪店「ブラック・アンバー」の共同経営者である男が同乗していたとされている。彼らは警察の事情聴取を受けているが、「他殺説」につながる証言や物証は今のところないという。
一方、警察はスピードボートの所有者の所有免許の期限が切れており、また操縦者だった男性が免許を所持していない「無免許運転」だったとして、それぞれ訴追することも視野に入れて捜査中だ。このように、事件に関連した捜査が続いていることが、世間の関心を集めている要素となっている。
検視の結果、「タンモ・ニダ」の肺から砂が検出されている。過去に水難事故を装って殺害した事件では、浅瀬で顔を沈めた際に、撒きあがった砂を被害者が吸い込んだ……という例もある。だがタイの警察は、それが「他殺」を示唆するものではなく、「『肺の中の砂』が水死体として特別なものではない」との見解を示している。
虚々実々の情報が錯綜する今回の一件。タイ国民がその死を悼むと同時に「真相」を知りたいとの思いは日々強まっている。