「タイの国民的女優」がチャオプラヤ川で水死 実母が“殺人”を示唆し国民は騒然

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 タイを代表する女優で、「タンモ・ニダ」の愛称で知られるニダ・パチャラヴェラポンさん(37)が、首都バンコクを流れるチャオプラヤ川を航行中に転落、行方不明となり、2日後に水死体で発見された。一見すると不幸な事故だが、「殺人事件」説が浮上し、現地のマスコミをにぎわす事態となっている。

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「タンモ・ニダ」が転落したのは、2月24日午後10時過ぎのことだった。バンコクのクルトン橋とノンタブリにあるラマ7世橋の間をスピードボートで移動中、船の後部から川に転落した。その瞬間を目撃したマネージャーは、叫び声をあげたという。

 夜間だったために準備に時間を要し、本格的な捜索が始まったのは日付をまたいだ25日0時頃となった。暗い川面をライトで照らしながらの捜索は困難を極めたという。

 そして2日後の26日午後1時10分ごろ、転落地点から約1キロ離れたノンタブリのピブリ・ソンクラーメ1桟橋近くで、浮かんでいた彼女の遺体が発見、回収されたのだった。捜索に加わっていた実兄のダノス・デッドジョブ氏(44)によって本人と確認され、遺体は検視のためタマサート大学法医学研究所に運ばれた。

トイレ中に転落?

「タンモ・ニダ」は女優兼モデル、そして歌手としても活躍していた。代表作で2019年に放映されたテレビドラマ「落ちた葉」ほか、数多くの映画でも主演を務めている。そのほかにもテレビドラマの「バンコク・ラブストーリー2」、「クラブ・フライデー、シリーズ10」、「バンコク・ゴースト・ストーリー」(いずれも2018年)に出演した。映画は「ラウト・ヒーローズ」「ラブ・ザ・サーティーン」(いずれも2018年)に出演している。現在のInstagramのフォロワー数はじつに約225万人。タイの国民的女優といえる存在だ。最後の投稿は、転落した24日のもの。観光地プーケットの写真に「太陽は再び昇る」とのメッセージが添えられていた。

 彼女の死をめぐって他殺説が流れているのは、母親であるパニダ・シラヨティオティンさん(67)が地元メディアに「誰かがそこにタンモ・ニダがいるのを喜ばなかったかも知れない」と語り、単なる転落事故死との見方に疑問を呈したことがきっかけだった。「偶然に娘が川に落ちたとは信じがたい。なぜ落ちてすぐに発見できなかったのか」として、警察に再度の捜査を求めている。

 当時、「タンモ・ニダ」がライフジャケットを着けていなかったたことも、母親の疑心暗鬼を招いている一つの要因である。また英字紙バンコク・ポストなどは「タンモ・ニダ」は乗船中に用を足したくなったが、トイレは故障中だった。そこでボートの後部に移動、水面に向かって座る形になった際に転落した――と報じている。さらに、ボート上で撮影が行われており、衣装を着ていたためにライフジャケットは着ていなかった、という情報もある。衣装によっては、川に落ちた後に泳ぐことが困難だっただろう。

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