“優勝候補”大阪桐蔭が初戦敗退の可能性も…今年の選抜は「大波乱」の予感

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期待できるハイレベルな投手戦

【第2ゾーン】
長崎日大(長崎)-京都国際(京都)
二松学舎大付(東京)-聖光学院(福島)
山梨学院(山梨)-木更津総合(千葉)
日大三島(静岡)-金光大阪(大阪)

 一方、長崎日大から金光大阪のゾーンは、プロ注目の好投手を擁するチームが多く入った。特に、初戦の注目は関東対決となった山梨学院と木更津総合のカードだ。

 山梨学院の榎谷礼央、木更津総合の越井颯一郎はともにストレートはコンスタントに140キロを超え、コントロールと変化球も高校生ではトップクラスである。昨年秋の関東大会で記録したWHIP(1イニングあたりにヒットと四球で許した走者を示す指標)は、榎谷が0.85、越井が0.45と、いずれも圧倒的な数字を残している。1回戦でも注目の好カードで、ハイレベルな投手戦が期待できるだろう。

 安定感でこの2人に負けていないのが、京都国際のエース左腕、森下瑠大だ。昨年の春、夏の甲子園で好投を見せ、夏にはチームの準決勝進出に大きく貢献した。新チームでは、投球術にさらに磨きがかかり、秋の近畿大会では2試合、13回を投げて無失点、17奪三振と圧巻のピッチングを見せている。

 京都国際には同じく旧チームから主戦を務める右腕の平野順大が控えているほか、同じ森下とサウスポーでは布施東海(二松学舎大付)も注目の好投手で、このゾーンは、ロースコアの接戦となる試合が多くなりそうだ。

注目は星稜と天理

【第3ゾーン】
高知(高知)-東洋大姫路(兵庫)
国学院久我山(東京)-有田工(佐賀)
星稜(石川)-天理(奈良)
只見(福島)-大垣日大(岐阜)

 高知から大垣日大のゾーンは、甲子園で実績のあるチームが多く入った。特に、初戦の注目は、近年ともに安定した成績を残し続けている星稜と天理のカードだ。

 星稜のエース、マーガード・真偉輝・キアンは中学時代から評判の大型右腕。スピードは130キロ台中盤だが、変化球を巧みに操る器用さがあり、試合を作る能力は高い。2年生の武内涼太も140キロを超えるスピードを誇る。

 一方の天理は、3番の戸井零士、4番の内藤大翔と、昨年の選抜で中軸を担った右の強打者2人を中心とした打線が持ち味。星稜の投手陣をどう打ち崩すのか、注目される。

 秋の地区大会優勝校、高知と国学院久我山が当然力はあるが、安定した投手を擁する東洋大姫路も面白い。エースの森健人は身長169cmと上背はないが、140キロ近いストレートと、多彩な変化球をテンポ良く投げ込む投球は安定感がある。近畿大会の初戦で、智弁学園(奈良)を相手に完封勝利をマークしている。課題の打力が強化されていれば、上位進出も十分に狙えるだろう。

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