「山健組」に迫る本部明け渡しのXデー 5代目山健組・中田組長vs神戸山口組・井上組長の「師弟場外戦」も

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目に見える形で手柄を

 暴力団がシノギに難渋する時代であることに加え、そもそも組の資産を先代が占有するような形はいかがなものかという声もあり、本部周辺の土地をめぐっては「井上4代目vs中田5代目」の抗争が顕在化し、現在は訴訟に発展しているという。

「1度飛び出して6代目側に戻った中田5代目としては、目に見える形で手柄を上げなければならないという気持ちでいるはず。つまり、神戸側の弱体化のためあの手この手を考えている。この裁判に勝って土地の所有権を確立することは大事な一手でしょう」(事情に詳しい記者)

 そしてここに来て、本部使用差し止めの仮処分申請である。申請を行ったのは地元住民グループ「花隈町暴力団追放市民の会」に委託を受けた「暴力団追放兵庫県民センター」。12日にはこのグループが決起集会を開き、「暴力団は出て行け」と声をあげた。

 2019年には事務所付近で6代目と神戸との間で抗争があり、神戸側2人が射殺された。その後も神戸側は切り崩しを受け、カエシ(報復)もままならない状況ではあるが、かと言って降参するわけでもない。

地価もあがり

 2020年に山健組は暴力団対策法に基づく特定抗争指定暴力団に指定され、事務所の使用が現在もなお禁止されている。

「とはいえ抗争終結となればその禁も解かれるわけで、地元としては特定抗争指定されている今こそ、山健組と決別する絶好のチャンスと見ているのでしょう。中田5代目としては本部売却を進めていく腹のようです(※山健組としてはこの事実を否定)。実際そのようになれば地価もあがり、地元住民にとって良い方向に行くかもしれません」(竹垣氏)

 約半世紀におよぶ山健組の歴史を見つめてきた土地に大きな変化が訪れようとしていることは間違いないようだ。

デイリー新潮編集部

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