もし17万人のロシア軍が北海道に侵攻したら…音威子府村で第2師団は全滅、第2のノモンハン事件という現実

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大敗した自衛隊

 17個師団となれば、約17万人になる。これだけの大軍を揚陸させる力はロシアにはない。だが、2万人とか3万人なら可能だろう──。防衛省は、こうした前提で計画を立案したようだ。

「北海道の旭川市には、陸上自衛隊第2師団が配置されています。ここは今も昔も、“捨て石”となることが決まっている師団です。3カ所から揚陸したロシア軍を、第2師団が音威子府村で迎撃するという計画は、全く変わっていません」(同・軍事ジャーナリスト)

 捨て石というが、まさに第2師団は敗北が決定していると言っても過言ではない。朝日新聞の北海道版が2005年の12月に「(北の部隊 北海道の戦後60年・第7部:1)冷戦期の演習」との記事を掲載したが、以下の記述がある。

《「名寄の精鋭部隊を中心に1カ月持ちこたえて同盟国アメリカの重武装部隊の応援を待つのが基本姿勢だった」。OBで北部方面総監部防衛課長や2師団長などを歴任した宇野章二さん(67)=札幌市=は言う。》

 先に紹介した音威子府から名寄までは約50キロ、鉄道で約1時間の距離になる。

《もしソ連軍の大戦車部隊が侵攻してきたとき、どれだけ対抗できるのか。語り草になっている演習が84年10月、北海道大演習場で開かれた。》

《自衛隊側が1340人、戦車など106両。ソ連軍を想定した攻撃側は実際の戦力に照らして2120人、260両で臨んだ。結果は攻撃開始からわずか17分半、自衛隊側の防衛ラインはもろくも崩壊した。旧日本軍がソ連の戦車部隊に大敗を喫した39年のノモンハン事件を思い起こさせる結果だった。》

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