ロシアの政権瓦解は確実? 戦況次第ではクーデターの可能性も

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反対派によるクーデターの可能性

 さらに、SWIFT排除に続き、諸外国は続々と経済制裁を進めている。

 となれば、今後、戦況や経済状況の悪化によっては、プーチンがロシア国民から排除される日が来るのか。

 独裁者の末路といえば、ルーマニアのチャウシェスク大統領の例が有名だ。チャウシェスクは1989年、民主化を求めた人民の暴動とそれに同調した軍部が反旗を翻したことに慄(おのの)き、宮殿から逃亡。捕えられ、公開の場で銃殺された。

「可能性は非常に低いですが、もしあるとすれば、この軍事作戦が完全に失敗し、ウクライナからの全面撤退というような事態に追い込まれた場合でしょう」

 と述べるのは、元防衛大学校教授で、国際問題研究家の瀧澤一郎氏である。

「その場合も国民の蜂起というよりは、クレムリン内部の反対派によるクーデターになるのではないでしょうか。そうなれば、クレムリンを数十万の民衆が取り囲むような光景が現出するかもしれません」

政権が瓦解に向かっていくのは確実

 一方、

「チャウシェスクになるかはともかく、今回の戦争がプーチンにとって、“終わりの始まり”となるのは間違いないでしょう」

 とユーラシア21研究所の吹浦忠正理事長は語るのである。

「尊敬を集めない権力が潰れていくのは、世界史が教えるところです。いくら上から押さえつけようとしても、『シロビキ』と呼ばれる軍や警察、情報機関の関係者がサボタージュを起こせばそれもかなわなくなる。かつてのソ連が崩壊したように、権力、統治能力が次第に低下し、やがて政権が瓦解へと向かっていくのは確実なのではないでしょうか」

 プーチンが取った選択はやはり破滅への道。

“最狂の皇帝”自壊の末路を、我々はいま目撃しているのかもしれない。

週刊新潮 2022年3月17日号掲載

特集「『プーチン』破滅へ」より

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