ロシアの政権瓦解は確実? 戦況次第ではクーデターの可能性も

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 暴走を続けるプーチン大統領に対し、ロシア国内でも“異変”が起きているという。今後、クーデターが起こる可能性などについて専門家に聞いてみると――。

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「外敵を異様におそれ」、「病的な外国への猜疑心」「潜在的な征服欲」「火器への異常信仰」を持つ――司馬遼太郎は著書『ロシアについて』の中で、かの国の根底にある精神をこう特徴づけた。これはそのままプーチンの深層心理にも重なるところがありそうだ。

 その彼の犯した罪については現在、国際刑事裁判所(ICC)が捜査を開始している。ロシア軍がウクライナで行う無差別攻撃が、戦争犯罪や人道に対する罪に当たるというものだ。イギリスなど加盟国39カ国の付託によって開始されたが、当のロシアはICCに加盟していないため、実効性は保証できない。しかし、確実にプーチンへの包囲網は狭まっているようで、

「現在、ロシアでは、千人規模のデモが頻発している。これは既に異常事態です」

 と述べるのは、元産経新聞モスクワ支局長で大和大学教授の佐々木正明氏である。

「ロシアでは許可なく大規模集会を開いたり、デモを行ったりすること自体が禁止されています。プーチンは取り締まりを激化させていて、『NO WAR』というプラカードを持っただけの5歳の子どもまで拘束し、親から親権を奪おうとしている。それでもデモの波は止まないのです」

30代後半以上にとっては「救世主」

 しかも、その参加者の顔ぶれに“変化”の兆しが見えるのだという。

「プーチンの岩盤支持層は、30代後半以上でソ連崩壊以前を知り、国営メディアで情報を得、ウクライナの今を知らない人たち。彼らにとってみれば、崩壊前後の苦しい時代を体験しているため、再びロシアを豊かにしてくれたプーチンは『救世主』なのです。しかし、今回のデモを見ていると、そうした人たちまで顔を出し始めている。ロシア人はウクライナ人に対して同族意識が強く、血縁者も多い。ロシア正教の聖地でもあり、乱暴な言い方をすれば、モスクワにとってのキエフは、東京から見た京都のような位置付けです。そこを爆撃するとなれば、プーチン支持者からも嘆きと怒りの反応が一気に噴き出すでしょう」(同)

 実際、オリガルヒと言われる新興財閥も公然と侵攻を批判し始めたのは報道されている通り。

「ソ連崩壊以来、30年経ってロシア社会に地殻変動が起きつつある」(同)

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