記憶に残った銅メダリスト「ジャネット・リン」 審判として復帰した理由は(小林信也)
ジャネット・リン(米)は、1972年札幌冬季五輪で日本中を魅了し、最も鮮烈な記憶を残した選手の一人だ。華やかなフリーの演技、眩しい笑顔は「銀盤の妖精」そのものだった。
極めつきはシット・スピンでバランスを崩し、尻もちをついた時だった。ジャネット・リンは、はにかんだ笑顔を浮かべ、すぐ立ち上がって演技を続けた。その笑顔に、日本中が衝撃を受け、誰もが彼女に心を奪われたのだ。素晴らしい演技の対極にあるはずの尻もちと笑顔が、ジャネット・リンを特別な存在に昇華させた。...