「ミステリと言う勿れ」「DCU」の死角 冬ドラマの“2トップ”が尻すぼみになったワケ
初回が絶賛された「ミステリと言う勿れ」
「中村アンの兄であり、テロ組織に関わりがあると思しき吉川が、ちっとも謎めいて見えません。同じ日曜劇場枠の『下町ロケット』で阿部と吉川が協力関係にあったせいもあるかもしれませんが、どうも敵対関係に見えてこないんです。彼らが仲間だった頃に潜水を競い合ったシーンがありましたが、吉川は水球の元五輪候補で、『水中ならジャイアント馬場にも負けない』とまで語ったことがあるほど。せめて圧倒的な泳ぎを見せて欲しいですね」
果たして、最終回で見せ場はあるだろうか。
一方、「ミステリと言う勿れ」は、デイリー新潮も「菅田将暉 『ミステリと言う勿れ』は代表作になる可能性 ハマるドラマ唯一の共通点」(1月24日配信)で絶賛した。初回は、菅田が殺人犯の疑いをかけられ取調室に入れられたものの、逆に刑事の遠藤憲一の犯罪を見抜いて論破し、最後には諭した。会話劇のようでもあり、いい流れだった。
「視聴率も13・6%と合格点のスタートでした。菅田の飄々(ひょうひょう)とした演技の評判も上々で、遠藤の演技も見事だったと思います。いつ15%超を達成してもおかしくない雰囲気でしたが、こちらの視聴率も初回を超えることなく下げています。加えて、遠藤は翌週から同じ月曜放送のテレビ東京『ユーチューバーに娘はやらん!』で佐々木希の父親役としてレギュラー出演。あまりに落差が大きかった」
伊藤沙莉がもったいない
第2、3話のバスジャック事件の永山瑛太の金髪姿、落ち着き払った演技も面白かったが……。
「瑛太に加え白石麻衣といった主演クラスを投入し、独自の謎めいた世界と推理で12・7%(第2話)、13・2%(第3話)をなんとか保ちました。その後も柄本佑、小日向文世、早乙女太一、佐々木蔵之介と続々と人気どころを起用していきましたが、初回から比べると勢いは落ちてますね」
なぜだろうか。
「やはり初回が神回過ぎたのかもしれません。警察側のレギュラー陣には伊藤沙莉、尾上松也、筒井道隆といった芸達者がいるにもかかわらず、上手く使い切っていない気がします。特に伊藤は、お笑いコンビ・オズワルドのツッコミ・伊藤俊介の妹としてもブレイク必至ですから、もったいない。菅田と伊藤の恋愛話に展開させないのは、制作者の矜持として評価していますが、なんだか彼女の立ち位置はマスコット的ですよね。残念でなりません」
こちらも瑛太が演じた犬堂我路の顛末がまだ描かれていない。ネット上では心配する声も出始めた。
《ミステリという勿れ、犬堂我路の話は劇場版で!とか本当に来そうで何か嫌だなぁ。》
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