ロシア軍失敗の最大の要因は? 「腐敗が横行」専門家は軍の質の低下を指摘
ロシアによるウクライナ侵攻から2週間以上が経過したが、いまだウクライナの抵抗は続いている。なぜロシアの当初のもくろみは外れたのか。また、腐敗が横行するロシア軍の統率は取れず、軍の質は低下しているという。
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「母さん、おれは今捕虜だ。捕虜だ! 捕虜だ! 捕虜だ! どこにいるのか、自分でもわからん!」
「たっぷり報酬がもらえると思って来たが、捕虜になった。同胞たちに忠告するよ! ウクライナへは入るな!」
「今はウクライナに付いて戦う用意があるよ。妻へ。愛してる」
ウクライナ政府は、捕虜になったり、死亡したりしたロシア兵について、家族が検索できるようにウェブサイトを開設している。そこにアップされた捕虜たちへのインタビュー動画だ。
現れるロシア兵捕虜はいずれも傷を負い、心を痛めた風で、祖国指導者への怒りに満ち満ちている。
これらはウクライナ軍による拘束下で撮られている。ロシア国内に厭戦気分を生むためのプロパガンダという指摘もあるだろう。
しかし、
「自分は特別任務機動隊だが、“演習”と言われてここまで来た!」
と述べる捕虜もいるように、それを割り引いてもなお、今回の戦争の大義なき実態を雄弁に物語っている。
「部下にウクライナを出ろと言いたい」と話すロシア将校
「ウクライナ大使が国連で、ロシア兵が死の直前に母親と交わした携帯のメッセージを公開しました」
とは、さる外信部デスク。
「そこには“僕らは街中を爆撃している。市民を攻撃している”“ママ怖いよ”と残されていました」
SNSが普及したことで、これまでの戦争では隠されてきたような悲劇が余すところなく明らかになってしまう。
「イギリスのインテリジェンス企業がロシア軍の無線音声を入手しています。そこには、砲撃の命令を受けた兵士が“それは違う!”と叫び、自分たちは一般市民が立ち去るまで大砲を使えない、と涙ながらに抵抗している声が入っていた。また、食料や燃料が届かないことに業を煮やした兵士が“一体、いつ用意できるんだよ!”“俺たちは3日間もここにいるぞ!”と大声を放っている音声も」(同)
さらには、やはりウクライナに捕らわれた捕虜のインタビューでは、
「私は部下にウクライナを出ろと言いたい、ロシア兵の90%はこれに同意すると思う」
とメッセージを送る将校や、
「ウクライナ人は自分を解放者として歓迎してくれると確信していた。銃弾と爆弾ではなく、花束と歓声で迎えてくれるものと思っていたのに」
と答える兵もいた……。
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