ドラマ「金魚妻」大ヒットの理由は? カジュアルに描かれるようになった女性の不倫
「女性のためのAV」
AV女優として活動していた経験を持つ社会学者で作家の鈴木涼美氏は、
「恐らく作品を観ている女性たちは、“タワマンにこんな人いるよね”などと相づちを打ちながら、いけない恋に没入する登場人物に共感しているのではないでしょうか。もちろん不倫などしないという方もいると思いますが、私の周囲をみても35歳以上になってから恋をしている既婚女性は案外多い。以前のドラマ作品では、女性の浮気は男性より罪が重いという扱いでしたが、最近は人妻の不倫もカジュアルに描かれる傾向にあると思います」
ストーリー、シチュエーションを重視
実際、「団地妻 昼下りの情事」では、平凡な人妻が不倫をネタにゆすられ、最後は売春組織に引きずり込まれて破滅する。だが、今回の「金魚妻」に登場するタワマン妻たちは、不倫によって人生が崩壊するわけではない。それぞれの事情を抱えた人妻が、一線を越えることで問題解決に向かうきっかけを見出す内容になっているんだとか。
「私もロマンポルノを観たことがありますが、団地妻などは男性向けのファンタジーなので、濡れ場はもっと強烈だし禁じられた人妻の性という部分が強調されていますよね。片や『金魚妻』は、濡れ場のクオリティーは他のドラマに比べればうまくできているとは思いますが、あくまで女性向けの作品。男性に比べてアダルトビデオに興味を持つ人が少ない分、ストーリーやシチュエーションを重視しますからね。いうなれば、女性のためのAVがあるとすればこんな感じの作品になるのかもしれません」(同)
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