「組織の中の弱い部分」のネイティブな表現は? 在米医師が教える生きた英語
コロンビア大学医学部外科教授であり、ニューヨークのトップドクターとして知られる加藤友朗医師。『ネイティブを動かすプレミアム英会話50』(新潮社)の著者でもある加藤氏が日常で出会う“ネイティブ英語”を紹介。
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今までにここで扱った表現はどちらかといえば、日本のみなさんには耳慣れない表現が多かったと思います。「英語は伝わればいい」「わざわざそんな言い回しを知らなくたって、英語は話せる」、そんなご意見もいただきました。確かにその通りです。ただ一方で、より豊かな会話を楽しむには、覚えておくといい表現もあるのです。このコラムをまとめた本、『ネイティブを動かすプレミアム英会話50』もぜひお手にとってお読みください。
さて今回の表現はweak link。linkは鎖を構成する一つ一つの金属の輪のことで、直訳は「弱い輪」です。輪が繋がって鎖ができますが、その中で弱い部分があればそこから鎖は切れてしまいます。つまりweak linkはチームの中での弱い部分、組織の中での弱い部分という意味になります。漫画でマディソンが言っているのは先発陣が今年のヤンキースの足を引っ張ったということです。ビジネスの場で多用される表現です。ぜひ覚えて使ってみてください。
weak linkの使い方の例は“Even having been hit very hard by the pandemic, the US does not seem to be a weak link in the global economic recovery.”「パンデミックで大きな被害を受けたにもかかわらず、米国は世界経済の回復の足を引っ張っていないようだ」や、“The manufacturing sector is one of the weakest links in the economy right now.”「今現在、製造業分野は経済の最大の弱点の一つだ」や、“A chain is only as strong as its weakest link”「鎖の強さは一番弱い輪っかの強さと同じだ(弱点を克服しない限りより強くはなれない)」などです。
では練習問題です。(答えは下)
1.日本語に訳すと?
“What do you think the weakest link in your organization is?”
2.weak linkを使って英語で言うと?
「僕のチームではボスが一番足を引っ張ってる」