小康状態のウクライナ侵攻 「原発」の次にプーチンが狙う「物流の要」オデッサ港

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原発の次は物流

 オデッサは、ウクライナで唯一、国際輸送ができる大港で物流の要だという。

「日本で言えば、横浜と横須賀を足したような軍民両用の拠点です。以前は海軍総司令部もありました。ここを取られてしまうと、ウクライナは輸入できなくなるし、小麦の輸出もできなくなる。いま小麦価格が上がっているのは、ウクライナの穀倉地帯の積み出し港であるオデッサが落ちて、ウクライナ政府が使えなくなることを恐れてのことです。ロシアはすでにザポリージャなどの原発を押さえつつありますが、次は同様なインフラ狙いで物流を押さえに来るのではないか。オデッサが落ちれば、ウクライナは窒息状態となる。こうして外堀を埋めた後、ゼレンスキーが降伏したり、ゼレンスキーの側近が裏切って、クーデターをおこさせたりするようなシナリオを目論んでいる可能性もあります」

 ウクライナ軍としても急所を守らんと、南部の主力をオデッサに移しているとの見方もあるという。

「実はウクライナ軍はヘルソンではほとんど抵抗を見せずに、駐屯地を明け渡しています。彼らがどこに行ったかは軍事機密でよく見えてこないのですが、キエフではなくオデッサで守りを固めているという見方もある。ウクライナ軍からすれば、ここで迎え撃って形勢を盛り返し、さらにはヘルソンも奪還も狙ってくるのではないか」

 これ以上の市民の犠牲は避けたいところだが、今のところ国際社会の圧力だけではプーチン大統領の暴走は止まりそうにない。

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