「ウクライナ侵攻」で狙い目の銘柄は?「金」「原油」「防衛」関連株は“今こそ買い”

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防衛関連ではITシステム関連株に注目

 防衛産業も注目すべき銘柄です。今回は日本とも領土問題を抱えるロシアが戦争を起こしたことから、これまで以上に日本で「防衛」に対する意識が高まったと思われます。

 2月27日、テレビ番組に生出演した安倍晋三元首相が、これまで議論することさえタブー視されてきた「核シェアリング(=核共有)政策」に言及し、その後、日本維新の会が同政策を盛り込んだ提言をまとめ、政府に提出しています。

 岸田文雄首相は3月7日の参院予算委員会で、非核三原則について「国是として堅持をしていく」と述べ、核共有も「政府としては考えない」と議論する考えがないことをまず強調しています。

 しかし、ロシアによるウクライナ侵攻が長引けば、防衛力強化が7月の参院選の争点となる可能性もあります。その場合、株式市場では、武器や防衛装備品に関する「防衛関連株」、さらにはサイバー攻撃に備えた「ITシステム関連株」に注目が集まることになりそうです。

●三菱重工業(7011・東証1部)
●川崎重工業(7012・東証1部)
 総合重機の大手企業。航空、防衛、造船など幅広く手がけています。

●NEC(6701・東証1部)
●富士通(6702・東証1部)
 ITサービス大手企業。官公庁の通信インフラ構築も広く手掛けています。

今こそ買いの「国際優良ハイテク株」

 コロナ禍における株価反転局面で顕著な上昇を見せたのは、「国際優良株を中心とするグロース(成長)株」でした。まだマクロ景気動向に不安が残る中で、世界的優良企業は独自の成長力によって業績回復が早いと捉えられました。これらハイテク株は東京市場の中心的な銘柄でもあります。象徴的な銘柄であるソニーグループなどは、地政学的リスク発生によるリスクオフに引きずられる格好で、本来であれば見ることがない安値水準まで売られています。

●ソニーグループ(6758・東証1部)
 AV機器、ゲーム、エンタメ、電子部品など、日本企業の象徴的存在です。

●キーエンス(6861・東証1部)
 FA(ファクトリー・オートメーション)センサーなど、検出・計測制御機器の世界的企業です。

●村田製作所(6981・東証1部)
 電子部品大手企業。セラミックコンデンサーで世界トップです。

●東京エレクトロン(8035・東証1部)
 半導体製造装置で世界第4位企業です。

●日本電産(6594・東証1部)
 HDD(ハードディスクドライブ)用モータで世界首位、精密小型モータで世界有数の企業です。

 株価はみんなが悲観することで安くなり、楽観に転じると高くなります。多くの人が悲観している今こそチャンスと考えるべきです。

天海源一郎(てんかい・げんいちろう)
株式評論家。1968年、大阪市生まれ。関西大卒業後、ラジオたんぱ(現・ラジオNIKKEI)入社。東証記者クラブ記者、ディレクターなどを歴任し、2004年独立。「夕刊フジ」、「楽天証券トウシル」に連載、「松井証券マネーサテライト」レギュラー出演。メルマガ「天海のつぶやき」発行、著書多数。

デイリー新潮編集部

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