「ウクライナ侵攻」で狙い目の銘柄は?「金」「原油」「防衛」関連株は“今こそ買い”

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原油高で儲かる企業

 次に「エネルギー関連銘柄」です。金と同じように原油価格も急騰しています。3月7日のロンドン市場で、欧州の基準価格となる北海ブレント原油先物価格が前週末比18%高の1バレル=139ドルまで上昇、2008年7月以来の高値を付けました。

 きっかけは、6日にブリンケン米国務長官が米CNNのインタビューで「欧州の同盟国とロシア産原油輸入を禁止する可能性について協議している」と表明したことです。その後バイデン米大統領は、正式にロシア産原油の禁輸措置を発表しました。

 ロシアは、アメリカ、サウジアラビアに次ぐ世界第3位の産油国で、欧州向けを中心に日量500万バレル規模の石油製品を輸出しています。

 欧米諸国はこれまで、価格高騰につながり世界経済悪化の端緒になるエネルギー(原油、天然ガス)を、制裁対象から外してきました。しかし、ウクライナへの侵攻が長期化の様相を見せる中で、各国ばらつきはあるものの、ロシアへのさらなる制裁に踏み切る姿勢を見せたのです。

 米議会はロシアへの新たな貿易制裁を盛り込んだ法案の成立に向け、超党派の合意もまとめています。制裁関税や世界貿易機関(WTO)からの排除勧告なども含む厳しい内容です。

 この先、「アメリカ、サウジアラビアなどの原油大幅増産」「イラン産原油“解禁”の動き」「ロシアとウクライナの停戦合意進展」などが見られなければ、さらに原油価格が上昇する可能性があります。

 日本でもガソリンや灯油などの値上がりを抑えるため、3月10日から石油元売り各社に出している補助金の上限額を、現在の1リットルあたり5円から25円に引き上げます。しかし原油価格の上昇に追いつかず、レギュラーガソリン1リットル当たりの価格は2008年8月の史上最高値185・1円に迫り、市民生活への影響が懸念されています。そのため株式市場では、原油価格上昇が業績の追い風となる銘柄が逆行高です。

●INPEX(1605・東証1部)
 原油・天然ガス開発生産の国内最大手企業です。エネルギー価格上昇が業績の追い風となります。

●日揮ホールディングス(1963・東証1部)
 石油・天然ガス系プラントの国内最大手企業。原油価格上昇がプラント増設につながると期待されます。

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