「幽霊でもいいから会いたい」残された遺族の心を救う“死者との再会”
3.11、あれから11年――
2011年3月11日に発生した東日本大震災。その死者・行方不明者は、2万人以上に及び、多くの人が突然、大切な人との別れを余儀なくされた。
被災した各地では、いつからか被災地に幽霊が出るという噂が広まり、新聞やテレビなどでも取り上げられてきた。愛しい人や家や職を失い厳しい現実の日々を送る中で、“死者との再会”という霊体験を通し遺族たちの心は絶望から救われることになったという。
「大切な人を失った心の状態が見せる錯覚かもしれませんが、それは怖いものではなく、自分の心がふと立ち止まるような、心の休まる瞬間でした」と語る納棺師の大森あきこさんは自身の父親を亡くした後、父の気配をすぐそばに感じるようになったという。...