「ロシア人の娘とは戦争の話はしない」 ロシアンパブで働くウクライナ女性の嘆き
ゼレンスキー大統領をバカにした酔客
無礼講がもっぱらの飲み屋でも“戦時下”。機微に触れる話はご法度なのである。実際、彼女の仲間にはゼレンスキー大統領を馬鹿にした酔客に激怒し、シャンパンをかけて追い出してしまった猛者もいるという。
「ウクライナ人同士でも、お互いに気を使い合わなきゃいけなくなっているわけです」
そう嘆くのはパブのオーナーだ。
「うちの店には親ロ地域であるドネツク州出身の娘と、今まさに戦闘が行われている地域の娘が一緒に働いているからね」
後者の母親がシェルターに避難した際に一時、連絡が取れなくなってしまい、ちょっとした騒ぎもあった。
「営業時間中にその娘、取り乱して泣いちゃったんだよ。それを見たドネツクの娘の方は14年から内戦が続いているものだから、“そんなの慣れっこだ”って感じだしね……」
酒場の隅にも、剣呑な雰囲気が漂っている。
[2/2ページ]