【袴田事件と世界一の姉】キャバレー時代の知人が述懐「警察は事件直後に巖さんを犯人と決めつけていた」
袴田巖さんは、3月10日に86歳になる。彼の若い頃をよく知り、記憶も鮮明な存命者は多くはない。筆者は「袴田事件」を本格的に取材し始めてから年数も浅い上、事件は56年も前。当時の証言者にほとんど会えないのは仕方がないと考えていた。そうした中、静岡市清水区に住む、巖さんとの記憶もしっかりした上品な女性に会うことができた。事件直後には、警察が彼女の下にも聞き込み捜査に訪れているという。それらを鍵に巖さんの人物像を探る、連載の第11回。(粟野仁雄/ジャーナリスト)...